豆腐の名前はいろいろあるけれど
- 材料
- Step2でできたとうふ
- 使用する道具
- 牛乳パック(はさみ、千枚通し、テープ)
- おもし
![]() 手作り豆腐教室をしていて、たまに質問があるのが、みだしの言葉。 「木綿ごし」「絹ごし」という名前を聞けば誰だってそう思うのかもしれません。 でも。Step2で呉を濾すところは終わっちゃいましたよね。 実は、本来「木綿」豆腐しかなかった頃に「絹ごし」が開発されて、従来の豆腐よりつるっとした肌が絹のようだということで、このネーミングになったそうです。 「木綿」は、この後の成形のステップで型枠の中に、木綿を敷いていたからこのネーミングですが、どっちにしろ濾すというイメージではないです。 豆腐屋では、呉を濾すのは、ほとんどの工場で機械化されていて、メッシュの細かい金属の板で、呉を豆乳とおからに分離しています。 また、「木綿」の布もほとんどが化繊で、本当に木綿でしているところはあまり聞いたことがありません。 「絹」なんていうのは、全然ありません。 では、「木綿」「絹」「寄せ」なんかはどう定義されているのか? 三重県のE-マーク(「いがもん」「伊賀の国産大豆でつくった豆腐」が取得しています)では次のように定められています。 「木綿豆腐」 大豆から熱水によりタンパク質その他の可溶成分を抽出し、濾過してできた豆乳に凝固剤(硫酸カルシウム等豆乳を凝固させるものをいう。)を加えて凝固させたものをくずし、上澄みを除去して型箱に移し、圧搾、成形したものをいう。 「きぬごし豆腐」 豆乳と凝固剤を型箱の中で混合し、豆乳全体をゲル状に凝固させ、水にさらし、成形したものをいう。 「寄せ寄せ豆腐」 豆乳に凝固剤をボウルや桶などの容器で混合し、凝固した状態そのものであって、凝固した後に水にさらさないものをいう。 ・・・・・イメージ通りですか? |
またまた前置きが長くなってしまいましたが・・・
その1 寄せ豆腐(ざる豆腐)
寄せ豆腐の定義は、「水さらししていない」事でしたね。
ということは、つまりStep2でできた豆腐そのもののことです。
そのまま皿などに盛って食べましょう。
すくう時、水分が出てきますが、これにもうまみが詰まっています。特に”にがり”で寄せたときに出る水分は、甘さのあるものです。 (凝固が失敗の時はこの限りにあらず)
さらに、水さらししない豆腐に「ざる豆腐」と呼ばれるものがあります。
これは、寄せ豆腐をざるなどに盛って、豆腐の自重によって水分を抜いて、豆腐の味を濃縮したものです。
美味しい豆腐は、種類に違わず豆腐の固形分がいい具合に水分を抱いて凝固されています。この水分を豆腐の重さだけで少し抜くと、豆腐の味が濃縮されます。
うまく凝固できたときは、ざる豆腐にしてみるのもいいですよ。
「寄せ豆腐は」みずみずしく、「ざる豆腐」うまみの濃いといったところでしょうか。
その2 絹ごし豆腐

乳パックと硫酸カルシウムで作った絹ごし(手の上)
絹ごしは、前述のように絹の布を使用したものではありません。
その肌が絹のようになめらかに仕上がった豆腐のことです。
と、いうことは凝固がほぼ完ぺきにできなければドロドロか肌が荒れて、絹ごしとは呼べなくなってしまいます。
形を作ろうとすれば、Step2でペットボトルの代わりに牛乳パックの真四角の容器にすれば、市販の形にできます。
ただ、「にがり(塩化マグネシウム)」での、絹ごし製造は我々プロでも難度の高い製法です。(理由は、下のコラム参照)
Step2のペットボトルを牛乳パックに、「にがり」を「硫酸カルシウム」や「グルコン」に替えれば、けっこう簡単に絹ごしができます。
牛乳パックごと水につけて、そっと中身を出せば、きれいな絹ごし豆腐が顔を出しますよ。
その3 木綿豆腐
木綿は、一度凝固させたものをくずして型箱に入れて圧力をかければ作ることができます。
型箱が必要になってきますが、左上のような手作り豆腐用の箱も市販されています。
でも、家でするんだったら、牛乳パックを豆腐の大きさの箱に改造すれば、費用もかかりません。
はさみで牛乳パックを切り、仕上げたい豆腐の大きさの箱とふたを作ります。
箱の方には、千枚通しなどで、底と側面に穴を適当に開けておきます。
箱の中に、ガーゼ(ハンカチでもいい)を敷き、Step2で作った豆腐を熱いうちにくずしながら入れます。
この時、細かくくずせば水分が抜けやすく堅い木綿に、あまりくずさなければ水分が抜けにくく柔らかめに仕上げることができます(凝固の状態にもよります)。
入れたら、ガーゼで上部も含め全体を覆うようにして、上にふたを載せ、ふたの上に適当な重し(コップに水を入れたものなど)を載せて、ゆっくり水分を抜いていきます。 しばらくしたら、中の堅さを確認し、水の中に取り出せば木綿豆腐の完成です。
取り出すとき、型箱ごと水の中に入れてすると壊れたりしにくいですよ。
最後までお付き合いいただいてありがとうございます。
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